2025年8月1日金曜日

フランス(シャルトル)→スペイン(サンセバスチャン)・・・美しい風景に心奪われる

 2001/02/22

パリ散歩翌日、私の中でパリはもう十分という気がして、明日パリを発つことにした。駅に向かい明日の列車の予約をする。宿代を浮かすために夜行列車、しかもクシェット(簡易寝台)に。予約料金が日本円にして1,700円程度。宿代とあまり変わらないな。

この日はパリ郊外にあるシャルトルまで日帰りで行ってみることにした。懲りずにキヨノリ君も付いてくるという。沈黙でも苦ではない、まるで姉弟のような感じの関係性が非常に心地よかった。

来てみたかったシャルトル大聖堂!


大聖堂の中は写真は控えたが、この中にあるステンドグラスが見たかったのだ!シャルトルブルーと呼ばれる青が美しいステンドグラス。言葉にできない感動をボールペンで記録したけど、やっぱりうまく伝わらない笑
でも、書かずにはいられなかった。ただ見ているだけなのも惜しくて。しばらく大聖堂の中で感動に包まれていた。

街歩きも楽しかった。絵本にでも出てきそうな可愛らしい石畳の街並み。散歩中いきなりキヨノリくんがマカロンのセットをプレゼントしてくれた!!当時の日本ではまだまだマカロンというものが珍しく、雑誌で読んだことのあるマカロンが並ぶショーケースに昨日私が釘付けになっていたのをしっかり横目で見ていたらしい。ピスタチオにカシス、ココナッツにオレンジ、チョコ…。宝箱のようだった。キヨノリ君いわく「街歩きのお礼」だって。いやぁもう、こんなサプライズ、感動しちゃったよ。ありがとう。

宿に戻ると日本人たちと最後の夜、いろいろと語り合った。そこで改めてキヨノリくんが「ノゾミさんは兄貴分(ん?)みたいで頼もしかった。いろんなことを教えてもらった」と言い「最初にノゾミさんに話しかけた俺は本当に見る目があった」と自分を褒めてた(笑)。スペインに向かう夜行列車に乗るため宿を出た私を見送りに来てくれて、ずっとずっと手を振ってくれていた。ありがとう。キヨノリくんのおかげで曇り空のパリが寂しくなかったよ。

さて、久しぶりの夜行列車。これまでとはちょっと違う人種も多く若干緊張する。

簡易寝台って何だ?と思っていたらただのイス。キョロキョロしてたら、後ろの席の人が「カモン」とばかりにジェスチャー。レバーを引くとリクライニングがほぼベッド状に後ろに倒れた。「もっと下げていいよ」的な合図に安心するも、やはり長時間はお尻が痛くなってくる。しかし不安なのはお尻の痛さよりも車内アナウンス。完全にスペイン語。き…聞き取れない。焦る!降りる駅が終点で本当に良かった。乗り換えをしてようやくたどり着いたのはスペイン北部バスク地方にあるサンセバスチャン。いったいなぜこの地を選んだのか覚えていないが、おそらく旅人からの情報だった気がする。ローカル線を乗り継いでようやく到着。インフォメーションでカタコト英語で宿を尋ねると「またか!」とばかりにやれやれと首を振って何か喋りだした。どうやら「英語は通じないってば!」というようなことを言ってるらしい。駅のインフォメーションの人がこのレベル!?って、日本人も同じか。。
なんとか宿情報を仕入れるも、一件目は休み(ってそんなことある?)、もう一件は地図に載ってるのに実際には存在せず、もう一件は昼近くだというのにオーナーはまだ寝てて起こされたのが不満だったのか「空いてない」と断られる。他の宿をあたったもののどこも満室。
よく聞くと今日はカーニバルが開催されるらしい。どうりで仮装した人が多いと思った!



結局バスに乗ってユースホステルへ向かうことに。しかし、宿のことを考えすぎて小銭両替をしてなかった。両替したい旨を伝えると「車内では両替できない。今すぐ降りろ」と言われる。うっそでしょ!?すると乗客の一人のお爺さんがお金を渡してくれた。いいからいいから、とジェスチャー。周りの乗客たちも旅人の身なりをしている私に「ユースホステルならここで降りるの」「あの建物よ」と一斉に教えてくれる。優しさに涙ぐみながら下車。皆さんありがとう、グラシアス!

ベッドを確保するととたんに精神的に余裕ができる。ああ、私こんな美しい場所に来ていたのね。しばらく高台から海岸を眺めて「私は一体なんのご褒美でこんな素晴らしい場所に来ているのだろう」と考えていた。25年近くたった今でもサンセバスチャンで感じた思いを鮮明に思い出す。それほど見たことのない美しい光景だった。
町はカーニバルで賑わっていた。エリザベス女王とチャールズ皇太子(当時)らしき人物も。
美食の町として有名らしいが当然レストランやバルに入るような経済的余裕はないので、スーパーに行って現地の人が買うような食材を買ってホステルで調理。今夜はオリーブとサーディンとチーズとレタスを挟んだサンドイッチ。ワインは1リットル紙パックに入って100円程度。パンはフランスほどのおいしさではなかったけれど、この庶民の味ってのがホント最高。
サンセバスチャンでも1日30,000歩越えの街歩き。みんなの賑やかで楽しそうな表情を眺めて歩くだけでもとっても楽しかった。でもやっぱり隣に誰かいないのは何か物足りなさを感じる。思いのほか雨が多くて涼しいとか、遠くに見える山脈は白く雪をかぶっているとか、足元には小さな花が咲いていて春を感じるとか、他愛もないことをノートに書き留めていたのはきっと、寂しかったからだと思う。

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