⑨初夜行でオランダ(アムステルダム)へ・・・アムスはドラッグの町?

2001/01/21   25,000歩

本日の予定。 コペンハーゲンを出て、再び渡り鳥コース(列車ごとフェリーに乗る。今は廃線となったルート)でドイツに渡りハンブルグで乗り換え。3時間ほどハンブルグ観光した後にベルリンに向かい、アムステルダム行きの夜行列車に乗るという計画。頭の中はフランダースの犬とチューリップのお花畑状態。やっと私の旅にも春がやってくる🌷

(画像は列車の予約チケット)

このスマホのない時代。有力な情報は宿での旅人からの聞き込みが一番。モジモジしてたら何の情報も得られないので、言葉が苦手でも必要に迫られてなんとかやり取り。デンマーク最後の夜もしかり。そこでアムステルダムについての情報収集してたら、アムステルダムに行ったというシアトルから来たバックパッカーの女子が「アムスに行くの!?クレイジーだわ!」と言い出した。ええっ!?そして彼女は右手を口元に当ててクスリを吸う真似をした。なんとなくドラッグが合法であることは知っていたけど「クスリがしたくて行くの?ヤバいよ。カフェにはクスリのメニューまで載ってんだから」と言われると、根が真面目な私はすっかりビビってしまい、脳内からはフランダースの犬もチューリップも静かに消え去り、私の周りに売人が集まってくるイメージしか持てなくなってしまった。うううーーーん……

いや、アムステルダムにいる人全員がクスリ漬けで廃人になってるわけないやろ。しかし、「ヤバいよ!」も忘れられず。旅の目標のひとつであったはずの渡り鳥コースもなんの思い入れもない(ごめん)コペンハーゲンを去るということもあり、ぼんやりとしたまま過ぎて行ってしまった。かろうじて残していたドイツマルクをフェリー内から日本への電話代にあてた。次に電話する時はドラッグ漬けでろれつが回らなくなってるんじゃないかと勝手に心配しながら。ああ、今思えばあの時多少ハメを外していればネタにも困らなかったろうにと思わなくもないが、なにしろ旅は始まったばかりでまだまだ警戒心のカタマリだった私はアムステルダムに異常なまでに不安を感じていた。

アムステルダムに着くと雪だった。しまった。まだどこに泊まるのか決めてなかった。アムステルダムに前向きになれない私は、駅を出たり入ったり、その後は別の都市に向かう列車に乗ったり降りたりをバカみたいに繰り返して、古都デルフト行きに乗り込んだ。ベルリンのように宿探しで難儀するのではないかという不安も、列車に乗ってしまうと「なんとかなるはず」と前向きになれた。ところが、駅を降りて胸膨らませてツーリストインフォメーションに行くと「そんな安宿はない」とバッサリ。デルフトのホテル代は何食か食事を抜いたくらいで払える金額でもなく、途方に暮れる。居合わせたアメリカ人夫婦も何とか力になろうと職員に掛け合ってくれたが「NO」がやけにハッキリ聞こえてくる。申し訳なさそうにこちらを見る。もし私が英語を流暢に話せてこの夫婦に、足が痛くてお腹が空いて寒くて寒くて一分一秒でも早く1ギルダーでも安い宿を探したいって言えたら、言い終わる前に泣いてしまっていただろう。目を合わすのもやっとの状態で、ありがとうとだけ伝えて走って逃げるように駅に向かった。

あああ、急いでアムステルダムに戻って宿を探さねば。自分の中で今回の旅の宿は、いかに旅人と交流できて、いかにその土地ならではの個性があって、いかに安いかが決め手なんだけど、この際多少個性がなくて高くてもいいからユースホステル利用することにした。ハローアゲインアムステルダム。歩くのも限界なくらいの足の痛みだったので、本来歩ける距離だったけど路面電車を使うことにした。

ユースホステル最高。男女混合部屋で飲酒禁止だけどとにかく清潔感あって、ベッドも互い違いになって配置されてることである程度のプライベート空間が保てる。一部屋ごとに大きなトイレとシャワールーム完備で朝食込みで1500円程度。なーんだ、最初からここに決めとけばよかった。

やっと宿が決まったことで猛烈にお腹が空いてきた。こうなりゃ自分にご褒美だ!カマンベールとトマトがたっぷりの大きなサンドイッチと、自販機で売られていたカレー風味のコロッケ(激ウマ)と青森県民も驚くであろう甘くてみずみずしい青リンゴ🍏

歩けば歩くほど面白い街だった。ビールやタバコ、チーズ等など専門店が連なり独特の活気も気分を上げてくれた。ネットカフェ(サイバーカフェと呼んでた)に入ると店員からいきなり「ドリンクは?」と聞かれたのだが、あまりに警戒しすぎてて「ドラッグは?」に聞こえて毅然として「NO!」の一点張り。しばらくしてドリンクのワンオーダー制だと気が付いて赤面。PCは日本語使えなかったし、早々に退散。あーやだやだ。

飲酒禁止だけどこっそりユースホステルにビールを数本持ち込んで枕の下に忍ばせる。飲み始めた頃にアマノという黒人男性が入ってきて、インド音楽について2時間も話に付き合わされた。

フランダースの犬降臨。パトラッシュ…僕は疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ…   



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