2025年6月10日火曜日

ドイツ(リューベック)初日編・・・可愛い街と寂しい心

2001/01/15

結局ベルリンのDavidの宿には2泊だけして、次の地へ移動することにした。居心地がいいのはいい事だけど、無期限の旅をしている人達は宿でずっと寝ていたり、出掛けることもせずリビングでダラダラ過ごす人も少なくなかった。そんな時間は私にはないのだ。

ベルリン市内をひたすら歩き回ったけれど、寒いのと足の痛みで十分に楽しめず、もっとこじんまりとしたのどかな田舎町に行きたくなった。そういえば以前母が「港町リューベックは素敵よ」と言っていたのを思い出す。そうだ、リューベックという街に行ってみよう。

Davidたちに置き手紙をして早朝に出発。ベルリンの太陽はライトに過ぎず、明るく照らしてはくれても暖かさを感じない。ベルリンからハンブルグでリューベック方面に乗り換え。ハンブルグもなかなかの都会だ。今は全く心惹かれず。

12時リューベック到着。なんと静かでなんと薄暗い駅。安宿探しのためインフォメーションに行くと14時まで昼休みだとか!長すぎやろ!(日本じゃ考えられないけど、ヨーロッパでは割と普通)

もう夕方まで宿探しなんてこりごりなので、一刻も早く宿探ししたいのに…涙

と途方に暮れたその時、荷物の中の紙ゴミが目に入った。最初ハンブルグに行くつもりでインターネットで宿情報探してプリントアウトしたものの、ハンブルグに行かなかったので破り捨てたはずが、1枚残っていてその中に1件リューベックの安宿が載ってた!きゃー!ナイス私!

中世の面影を残す雰囲気のある石畳の街。様々な文化を感じる建造物、レンガを積み重ねて建てられた古い教会。そして何より静かでありながらもどこか活気を感じる。そういえばリューベックはギルド、つまり商人の町だと聞いたことがある。これがギルドの活気なのか。色とりどりのフルーツ、チーズ、肉が人々の笑顔と共に売られている。ベルリンとは違い、私の見る景色に鮮やかな色が加わったように感じられた。



今回の宿探しは神様が私を見捨てなかったということだろう。紙ゴミのおかげでいとも簡単に見付かった。Rucksackという名前の安宿で1泊約1,000円。小綺麗でまるでペンションのような温かさを感じる。目の前はハーバーでロケーションも最高。(なんと2025年現在、ストリートビューで確認したらまだ存在してた✨)

中に入るとそこにいた旅人全員がどうぞどうぞと手招きしてオーナーを紹介してくれた。やった!空き部屋もあるらしい。

荷物を下ろして安心して食料調達のために軽装で街に出る。ああ、なんて身軽なんだ。まるで魔女の宅急便にでも出てきそうなパン屋でパンを買い、肉屋とチーズ屋でそれぞれ初めて量り売りのハムとチーズを購入し、白ワインをまるで水のように飲む。あああ、幸せだ。やっとこんな気持ちになれた。これこそ求めていたものだ。リューベック、ここは天国なのか。

いや、何かが足りない。そう、寂しいのだ。心のどこかが物足りない。もしかしたら天国はそういう所なのかもしれない。そんなことをほろ酔いの頭で自室でぼんやり考えていたら、21時、突然人が入ってきた!びっくりしたあああ。今到着したという学生ステファニー。おお!ルームメイトよ!私はあなたという存在を待っていたのよ。初対面から数分で強引にワインで乾杯。「プロスト!」

人が恋しかったのだ。そして言葉もろくに通じない初対面のルームメイトによってこんなに心が温かくなるとは。やっと心穏やかに旅の夜を迎えられた気がした。


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